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阿部真央「らいぶNo.8」スペシャルインタビュー

2019年1月のメジャーデビュー10周年に向けて「Road to 10th Anniversary」と題した活動を続けている阿部真央。春には8枚目のオリジナルアルバム「YOU」を引っ提げてライブハウスツアー「Closer」を開催。夏には新曲「まだ僕は生きてる」を配信リリースし、大型野外フェスにも出演するなど全速力で走っている彼女から、2年2ヶ月ぶりのCDシングルが届けられた。表題曲「変わりたい唄」は、"自分らしく"という意志を込めたロックチューンに仕上がっている。
そして11月からはいよいよ全国ホールツアー「阿部真央 らいぶNo.8~Road to 10th Anniversary~」がスタート。彼女自身が「ファンのみんなが好きな曲をたくさん歌いたい」というこのツアーは、10年のキャリアのなかで生み出された名曲、人気曲が網羅された記念碑的な内容になりそうだ。2019年1月に開催される5年ぶりの日本武道館ワンマンライブ、初の神戸ワールド記念ホールでのワンマンライブまで続く"Road to 10th Anniversary"をぜひ、全身で体感してほしいと思う。

まずはニューシングルについて聞かせてください。表題曲「変わりたい唄」は、阿部真央さんの現在のモード、この先のビジョンが反映された楽曲だと思います。10周年のアニバーサリーイヤーに未来を感じさせる楽曲が聴けることが素晴らしいな、と。
「ありがとうございます。いいこと言ってくれますね(笑)」
(笑)「変わりたい唄」を書いた経緯を教えてもらえますか?
「はい。10周年を迎えて、"この10年、どうだった?"と聞かれることが公私ともにあって。"10年前はどうだったかな?"と振り返ってみると、"リスナーのみなさんに対して何が言えるか"なんて考えてなくて、もっとワガママに"自分はこうです""私はこう思っています"という歌を作っていたんですよね。そのスタンスに立ち戻って今の自分について考えるなかで"自分を全うしたい""本来の自分を知りたい"と思うようになって。そういう自分でこの先の人生を生きたいと思ったんですよね。デビュー当時はもっと刹那的だったし、だからこそ『ふりぃ』では"譲れない 今を、"と歌ってたんだけど、この10年でいろんな経験をさせてもらって、"自分になる"ことがいかに難しいかわかってきて…。
なるほど。
「アーティストとしてのアイデンティティを提示することも大事だし、その後はリスナ―から戻ってくるイメージもあって、そのギャップで自分を見失いそうになったり、悩むことも多かったんです。アルバムのたびに「これがいまの私です」という気持ちで制作していたし、いちばん素の自分を見せられるのはやっぱりライブなんですよね。私はMCも重要視しているんだけど、それは生身の自分をそのまま直に表現できるからなんです。MCで失敗することも多かったけど(笑)、そこで素の自分を出しはじめて、その感のままでライブをやることを覚えて。それが3~4年目くらいの時期かな」
さらに5年目以降もいろんな変化があって。
「そうですね。最初の5年は音楽的な飛躍がたくさんあって、この5年はプライベートでいろんなことがあって。私のなかではバランスが取れているんですけど(笑)、結婚、出産、離婚のことでいろいろ言われたし、セールスにも波があったのも確かで。それを経て"もう何があっても平気"という気持ちで作ったのが『Babe.』や『YOU』だったし、それは今回のシングルにもつながっているんです」
何を言われても怖くない、"本当の自分"として生きていくんだ、と。
「裏を返せば、そういう気持ちで生きていく自信が少しずつ出来てきたということかも。出来る限り自分自身に近づいて、そのまま前に出ていきたいなって。"そのままの私をすべて受け入れてほしい"というのは傲慢だし、"すべてをあからさまに見せることが美徳ではない"ということもわかっているんだけど、そういうことを踏まえたうえで作ったのが『変わりたい唄』だと思います」
カップリングには「まだ僕は生きてる」「なんにもない今から」「いつもありがとう~あべまにあの唄~」を収録。
「私にとっては『なんにもない今から』がポイントになっているんです。去年の夏から今年にかけて"自分とは?"を掘り下げる時期で。『YOU』というアルバムでは恋愛の側面を彫り下げたんですけど、この先の人生みたいなことはほとんど触れてなかったんですよ。その突破口になったのが『なんにもない今から』なんですよね。『変わりたい唄』みたいに"こうしたい"ということは何も歌ってないんだけど、すごく感動できる曲になったと思います」
この夏に配信リリースされた「まだ僕は生きている」については?
「書いたのは春くらいですね。昨年「らいぶNo.7」以降、思うように 活動できない時期があって。そういうときって不安になるし、気持ちも落ちてたんですけど、ファンクラブのイベントに来てくれたみなさんの顔を見て、"私にはこの人たちがいてくれるんだな"と改めて感じて。どん底のときほど――大したどん底ではないことはわかってるんですけど――何が大事なのかをきちんと見なくちゃいけないし、そうすれば先に進む力が湧いてくるんだなと。どんな状況になってもすぐ近くで応援してくれてる人がいるんだから、その人たちのためにもがんばりたい、なぜなら、まだ僕は生きてるんだからという歌ですね、これは」
そして「いつもありがとう~あべまにあの唄~」はタイトル通り、ファンのみなさんへ向けた感謝の曲。
「"10年""感謝"をテーマにファンクラブの人たちから歌詞を募集させてもらって。大阪のイベントで1番、東京で2番の歌詞を作ったんですよ。みなさんが送ってくれた言葉をホワイトボードに書き出して、そこから"いいな"と思うフレーズを組み合わせて。"あべまにあ"がはじまって、最初のイベントのときに"あべまにあの歌を作りたいね"という話をしていたんですよ、じつは。ファンクラブの人だけが作詞に参加できるとか、先に新曲を聴けるとか、プライオリティみたいなものを作っていきたいので。11月からのホールツアーでも歌いたいですね」
今回のシングル、ジャケットの写真も印象的ですね。変身ポーズの阿部真央さんの後ろにいるおばさまは誰ですか?
「エキストラの方です(笑)。この方のおかげでシュールなジャケットになったし、私もすごく気に入ってます。PVも爆発シーンがあったりして、すごくおもしろいんですよ。もともとシュールなものが好きだし、それをもっと打ち出していきたいと思っていて。今回のジャケ写、PVは私のアイデアではなくて、すべて提案していただいたんです。自分から言っていないのにこういう作品が出来上がるということは、そういう時期なんだなって。この先もおもしろいと思ったことを隠さないでやっていきたいですね」
そして11月18日からは全国ホールツアー「阿部真央 らいぶNo.8~Road to 10th Anniversary~」が始まります。ずばり、どんなツアーになりそうですか?
「うーん……よく"どんなツアーになりそうですか?"と聞かれるんだけど、みんな、ホントに気になってるのかな?」
気になると思います(笑)。特に今回は10周年を記念したツアーですから。
「そうですよね(笑)。セットリストはお客さんが好きな曲で埋め尽くしたいなと思っています。オリジナルアルバムを引っ提げたツアーではなくて、10周年のツアーなので。まず、みんなシングルは好きでしょ?(笑) シングルの表題曲だけで16曲以上あるから、アルバムのリード曲を加えたら、それだけでほぼ固まりますよね」
10月に喉の手術をしたのも、万全の状態でツアーを迎えるための準備?
「はい。手術後の最初の歌唱は地元大分でのイベントなんですが、フル尺のライブはツアー初日の新潟。心配かけちゃったと思うし、初日からそれを吹き飛ばすようなライブをしたいので。春のツアーは喉の不調で延期してしまったので、今回はその可能性を残しておきたくなかったんですよね。喉の状態を良くするための手術だし、気持ちはすごく前向きです」
来年1月には5年ぶりの日本武道館公演、そして、神戸ワールド記念ホール公演も。
「武道館は5年前に初めてやらせてもらって、大好きになったんです。ずっと不安だったんですけど、あの場所に守られている感覚があったし、すごく楽しくて。生半可な気持ちで立てるステージではないので、しっかり準備したいですね。神戸ワールド記念ホールは、関西では初めてのアリーナライブ。ツアーのファイナルでもあるので、いっぱい来てほしいですね」
最後に改めて、10周年について聞かせてください。10年という数字は節目になりそうですか?
「自分ではそんなに。でも、まわりを見てみると10年間続いているアーティストさんはそれほど多くないし、そう思うと10年の重みを感じますね。ファンのみなさんをはじめ、いろいろな人に支えてもらえなかったら成し得なかったと思います。デビューしたときはこんなに続くとは思ってなかったので…」
実際、デビューした頃はよく言ってましたよね。「いつまで続くかわからない」って。
「本当にそう思ってたんですよ。私は競争も好きじゃないし、"売れたい"とか"あの会場でライブがやりたい"という気持ちもそれほどなくて。自信もなかったんですよね。シンガーソングライターでもバンドでも、必ずアマチュア時代があるじゃないですか。私にはそれが一切なくて、高校の最後の年にライブをやってただけなので。上京前の最後のライブでもお世話になってた地元のライブハウスの方に仕切ってもらったし、要は自分で何もやってないんですよ。確信や手応えがない状態でデビューしたから、それを得るまでに時間がかかってしまって。よく"状況が変わっても踊らされないように"って言うじゃないですか。私の場合、踊ろうと思っても踊れないんですよ、性格的に」
確かに(笑)。
「自分に酔えるくらいのほうが幸せなんですよ、きっと(笑)。でも、私はそれができないんです、良くも悪くも」
でも、10年間に渡って素晴らしい楽曲を生み出してきたわけで。その動機はどこにあるんですか?
「何でしょうね?"歌が好きだから"だけではないだろうし…。やっぱり、自分の曲を届けたいし、認められたいんでしょうね。自分がやること、自分が作った曲が本当の意味で届かないとイヤなんです。たとえばイベントやフェスに出させてもらったときも、観ている人をビックリさせたいんですよね。"すごいでしょ!"という気持ちも多少あるけど、感動してもらえたときのほうが嬉しくて」
阿部真央さんのワンマンライブを観ると、お客さんがしっかり曲を聴いて、本気で応援しているのが感じられて。いいオーディエンスだなっていつも思います。
「本当にそうなんですよ。何度も言いますけど、いつも支えられているし、感謝しかないですね」
全国ツアー、武道館と神戸ワールド記念ホールのライブ、ベストアルバムのリリース、誕生日と忙しい日々が続きますね。
「そうですね。お祝いも多いけど、ケーキはナシにしようと思っていて。しばらく前から甘いものを食べてないんですよ。シングルのジャケットとPV撮影のためのダイエットしたのがきっかけなんですけど、砂糖を摂らないようにすると、身体もむくまないし、体調も良くて」
すごい。甘いものが大好きなのに。
「けっこうきついです(笑)。そこでも腹を決めたところがあるんですよね。体調がよくなるとパフォーマンスもよくなりますからね。いい歌を歌うためだったら、やるよね」
素晴らしい!
「いまのはちゃんと書いてくださいね。"いい歌のためだったら、やるよね。キラン!"って(笑)」

(インタビュアー:森朋之)